「自分が傷つくリスクをとりたくない」VS「外の世界を一緒に見に行こう」①

AとB

A:10年前「私は友達が多いです!コミュニケーション能力に自信があります!誰と誰が性格が合うか喧嘩するか、付き合うか別れるか未来が見えます!人の心、全部分かります!」っていうネタをみんなでやったとき、Bが「相手が何を考えているかが、分かるの?」って真顔で聞いたこと覚えてる?

B:ええっ、そんなことあった?

A:驚いて私が「うん、分かるよ」って返したら、「分からなくない?」って(笑)。冗談だったけれど、真顔で問い詰められるほど全く分からないわけでもないと思っていた。察しくらいはつくけど、って。でもね、一晩寝て「いや!確かに!全く分からないのかもしれない!『あの人はこう思ってるだろう』って予想しても、本当にそう思っているかは正確に確かめないと分からないな!」って気づいたの。

B:一晩でそうなったんだ。

A:真剣な言葉は、真剣に受け止めて考えるよ。Bが言ったことって「言いにくいこと」じゃん?

B:うん。今なら言えないと思う……

A:言いにくいことを、言ってくれたんだって。結果、それで私は気づけた。それからもう1つ「Aとする話は、他の人としない話が多い」ってBが言って、「何で?」って聞いたら「こういう話って、相手を傷つける恐れがあるから気軽にはできない、それに……」

B:待って。Aなら傷つかないでしょ!なんて思って言ってないからね!いや、当時はそう思っていたのかな……

A:いやいや、当時私は、悪いところや間違っているところ含めて客観的意見が聞きたくて、自分から聞くことすらあったんだ。だから「悪いところや間違っているところを指摘されたら、普通はメンタルやられる」ってBに言われて、初めて知った。

B:あ、そうそう!思い出した!Aは傷つかない、と思っていたわけじゃなくて、第三者の意見を聞きたがっていると思ったから言った。

A:「これ美味しそう」とか「あの人かっこいい」とか女子のキャーキャー話ではなくて、「あなたの性格をこう思う」とか「あなたの言動に傷つく」とか、性格や生き方に関する話って、あまり話さないものなのか〜って。私は結構話してきたけれど、Bは今まで話したことないって言っていた。

B:うん。それはね、さっきAが言いかけた私の言葉の続きだけれど「相手を傷つける恐れがあるから気軽にはできない、それに、自分が傷つけられるから」なんだよ。相手に言ったら、自分が何か言われるかもしれないでしょ?欠点や悪口を言われるかもしれないでしょ?それが絶対に嫌。

A:悪口が返ってくるなら友達辞めたほうがいいよ(笑)私は、自分が気づけていない欠点なら「気づけて良かった!ありがとう!」ってなるし、自分が欠点だと思わないなら「私はこういう理由で欠点だと思っていない!でも確かめる機会をありがとう!」」ってなるだけ。だから嫌って思えないんだよね〜。それにしても人から言われるのが嫌なBが、どうしてこんなズバズバ言う私と話し続けているの?

B:珍しいなって。私自身も含めて、性格や生き方について話をする人が、Aに出会うまでいなかったんだ。

A:それで、10年話し続けたの?(笑)

B:うん。こんな話をするの今でもやっぱりAくらいだけれど(笑)1番大きいのは、Aは人を傷つけない。上手いんだよ。「Aに言われて嫌だ」とは絶対に思わない、むしろ知りたいことを教えてくれる。言われなかったら、一生気づけなかったことが多くある。そう考えると恐ろしいよ……Aに出会っていなかったら、人生が違うものになっていたと思う。

A:人を傷つけてしまったことも、もちろんあると思う。それに私がいなければいないで、Bの人生は楽しく成り立ってるよ。私自身、いろんな人と話して救われてきた。そういう話をするのが好きな人、一定数いるから。

B:起業家や社長のように考えを持って人前で話したり、小説家やコピーライターのように言語を仕事にしている人には多いのかもしれない。

A:私たちの共通の友達とも、よく性格や人生観について話すよ。

B:共通の友達も、私と2人だけのときはやっぱりそんな話さないよ。「彼氏できない〜」みたいなことばかり話している。

A私が自分のことを明けっ広げに話すから、相手が「こんな奴には何話しても大丈夫だろう」ってなるのかもしれないね(笑)

B:確かに私は、自分から話をしないなぁ……。

A:自分から話をしない者同士だと「相手はどんな話が楽しいのだろう」「何を話したらいいのかな」って探り合いになりそう。

B:正にそう、そうだと思う。話をブロックしているつもりはないけれど、あぁ、みんな私に何を話していいか分からなくて困っているんだろうな……っていうのは今までの人生振り返ると思う。

A:別に、それでいいんじゃない?話題なんて無理して出すものじゃないし、私と話すときBは自分から話してくれるし。話したいときに話したいことを、話せばいいよ。

B:Aには「話したい」って思う。あぁ、話したい人と話せば自然とそうなるのか。私はAに出会うまで、そう思える人に出会えなかっただけかもしれない。

A:Bが話したいと思える相手になっているなら嬉しい!「話したいと思える相手」って、めちゃくちゃ大事だと思う。そうじゃないと、世界が自分で完結してしまう。それから自分の世界が崩壊したときの「外部の逃げ場」にもなる。私はみんなの「逃げ場」でいたいなぁ……

B:私にとってはもう唯一の逃げ場よ(笑)

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