なぜ人の話を聞かなきゃいけないの?わざわざ私が人に寄り添って、人の話を聞く意味はないよね?という人間心理の真逆

AとB

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『数字や科学、見えるものを好む人』と『心理や感情、見えないものを好む人』。あなたはどっち?
「統計的に、悩みを解決する手段を教えてくれたらいい」「心理や感情って統計とれないから」

A:私が研究してきた発達心理学は、人に寄り添って悩み解決の糸口を見つけることと、あとは子育て。発達心理学は幼少期を研究対象にすることが多いんだ。親がどういうことをしたら、赤ちゃんはどういう反応をするか……みたいな。

B:人に寄り添うことに興味はないけど、それはおもしろい。

A:そうなの?

B:うん。赤ちゃんは「こうしたらこうなる」っていう答えみたいなものがあるから。

A:「人に寄り添う」のと一緒じゃない?

B:「人に寄り添う」のは、答えが個人個人で違うでしょ?

A赤ちゃんも、答えは個人個人で違うよ?機械のように決まった反応が返ってくる訳じゃない、赤ちゃんも人間だから。笑うとか、泣くとか、声を出すとか……反応は無限にある。

Bそれでも「この刺激を与えたら、この刺激に対してこんな反応する」っていう決まった傾向が少しでもあるでしょ?

Aうーん、決まった傾向があるのは、赤ちゃんだけじゃなくて私たちも同じだよ。例えば、私たちがよく話題にする「雑談力」とか「コミュニケーション能力」とかに関する本があるじゃん?「雑談」や「コミュニケーション」って答えがなさそうなものなのに、ある程度「一般的な答え」として本にまとまってるいるのは、赤ちゃんの決まった傾向と同じ。一種の「決まった傾向」じゃない?

B:赤ちゃんは、あくまで「こちらから刺激を与えて」反応が返ってくるじゃん。赤ちゃんじゃない人は刺激を与えなくても自発的に話すから、「話を聞く」っていう行為が発生するでしょ?そこに興味がないのよ。

A他人の話を聞くことに、そもそも興味がないのか。

B:そう。決まった傾向を知るのに、わざわざ私が人に寄り添って、人の話を聞く意味はないよね?

A:人の話を聞いている中で、「親からこんな刺激を与えられました」って発言があったとして、「その刺激があったから、今こうなったかもしれない」って仮説を立てて、「じゃあこれからどうするか」を話すことができるよね。で、同じような事例が多かったら統計が……

B:そう、だから「統計とったあとで教えて下さい!」って感じ(笑)

A私とBの違いは、単純に興味の違いだよ。人間心理に興味があるかどうか。「人の話を聞いて考えるのが楽しい」っていうのと、「楽しくないから結果だけまとめて教えてよ」っていう違いだ。

B:それだ!

A:赤ちゃんの話も結局「自分が赤ちゃんに刺激を与えて反応を見たい」っていうより、「親がこういうことをしたら、赤ちゃんはこういう反応する」っていうまとめられた結果を見たいってことでしょ?

B:そう!でも何も話さない赤ちゃんでも、反応パターンは無限にあるんだね……

A人間だからね(笑)

B:それから気になっていたのだけれど、「人の話を聞く」って、その人の何かを治すわけじゃないよね?「起こった出来事に対して、今の状況ができてますね」って確認するだけだよね?

A:どういうこと?

B:例えば「あなたは親からこんな刺激を与えられたから、今こうなった可能性が高いです」っていう結果を出したからって、その人には何も起こらないよね。

A原因に気づいて、楽になることもあると思う。

B:楽になるのか……わからないなぁ。薬を飲んだり、運動したりするならともかく。

A「誰かに話を聞いてもらう」だけで、一時的に救われることもあると思うよ。それで次のステップに進める。

B:え?話を聞いてもらっただけで?うーん、わからない……。

A:Bは人の話を聞くことにも、人に話を聞いてもらうことにも興味がないんだと思う。

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