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A:Bと出会ったのは今から10年前、大学入学してすぐ。当時のBは、今のBと全然違っていた。あ、でもやっぱり「変わってる子だな」っていうのが第一印象ではあったよ。
B:私は、一番最初にAに会ったときのことは覚えていなくて。Aの家に行ったところから覚えている。
A:あ、私も一緒。Bを、Bとして認識したのがあのときだった。
B:その前に出会ってはいるんだろうけど、
A:同じ授業にいるな〜くらいじゃなかった?Bとは学部が違ったけど、私が希望してたまたまBの学部の授業を受けに行ってたんだよね。
B:他学部の授業を希望して受けに来るの、えらいね……。
A:おもしろそうだったから(笑)Bとはまだ名前も知らない、話したこともないくらいの関係値だったと思う。ある日、友達つくりたがりの私が、授業が終わって「今から誰か遊ばない?家来ない?」って女子に呼びかけたんだよね。
B:そうそう。
A:正直、ああいうのって親しくない子は来ないと思っていて。既に仲良い子が数人いたから、その子たちが予定が合ったら来るんじゃないかな〜くらいに思って言ったんだよ。そしたら、喋ったことのないBが来た(笑)
B:それ、私の黒歴史だよね。
A:そう思ってるの?なんで?
B:それこそ、普通行かないじゃん(笑)
A:Bがあのとき来てくれたのは、来てくれただけの理由があると思ったよ。
B:行ったことに、そこまで理由はなかった。
A:でも何かしらの動機はあるよね?
B:……私の中に、人格がいくつかあって。そのときは「落ちてるもの全部拾う人格」の時期だった。友達づくりも積極的にやろうっていうモチベーションだったから行った、と思う。
A:じゃあ、タイミングが合って起きたことだったんだね。
B:そう。普通はさ、直感で「この子とは仲良くなれそうだな」と思って行くんだろうね。
A:それもあるだろうし、やっぱりある程度仲良くなってから「もう少し知りたいな」とか。あとは「この子と仲良くしておいたら、後々便利そう」とか。ねえ、もし私がコミュ障(※コミュニケーション障害)で、一言も話さないような人だったらどうしたん(笑)?
B:「今から家来る人〜!」って誘う人、コミュ障ではないやろ(笑)
A:分からないよ、頑張って振り絞った一言だったかもしれない。
B:いや、Aがコミュ障じゃないことだけは直感が働かない私にも分かった。私には、フラッと参加するみたいな感覚がずっとなくて。大学生になって、そういうのしてみたいなって思ったんだよね。
A:なるほどね。確かに大学入った当時って、大学デビューじゃないけど、これまでできなかったことができるようになるからね。親の目があった環境も、全部なくなるわけで。だから私は大学生になって「大人になった!」って思っていたんだけど、今思えば大人の始まりにすぎなかったよね……。
B:大人の始まりで、自由の始まりだったね。いきなり自由になって、自分で色々できるようになった。そこからはずっと自由。
A:大人の始まりってことは、まだ子供ってことじゃない?
B:うん。大学入りたてなんて子供でしょ。それは、皆そう思っているんじゃないかな?
A:私はもう立派な大人だと思っていたなあ……。
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