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A：前に「自分より弱いものを守ることで、相対的に自分を強くしたい」って男性の話をしたけれど、「弱いものを守りたい、強くなりたい」っていうのは本能だから、「相手がこころの病気や境界性人格障害かもしれない」なんて男性は考えてもみないと思うの。
B：そりゃ考えないだろうよ（笑）
A：男女を分けるわけではないけれど、昔からの生物のつくりを考えると、弱さを武器にする女子に対して「あれ？なんかおかしくない？」って思えるのは、やっぱり同性だから。
B：そうだね。それにもう1つ、男性はそこで「やれそう」っていう下心があるじゃん。
A：そうそう。それも本能だから。仕方ないけどさ……でも、怖くない？「やれそう」っていう状態と、隠れた障害や病気の状態が並列してるって……怖くない？障害で困ってる人を目の前に、「あ、やれそう」って……怖くない？ 気付かない深刻さを感じる。
B：深刻さは、「やれそう」って思っている側も一緒なんじゃない？弱ってる相手に「やれそう」って思っている人は、事実、「境界性人格障害」と分からなくても「深刻そうな状態」を目の前に、「かまってあげたい」なんて思ってしまっているわけで。
A：なるほど。「自分の弱さを、自分より弱いものを守ることで埋めたい。相対的に自分を強くしたい」っていう男性も、相手の深刻さを冷静に考えられないほど、深刻な弱さを抱えているってことか……
B：そうそう。そこに繋がる。
A：少なくとも自己肯定感があって、自立していて、相手のことを守ってあげられる“真の強さ”があれば「かまってあげたい」「やれそう」を理由に惹かれないよね。結局、弱い人が弱い人に惹かれる……やっぱり第三者に相談するなり病院に行くなり、生きやすく生きてほしいって思ってしまう。
B：まぁまぁ。言いたかったのはそういうこと、どっちも深刻だよってこと。
A：分かるよ、Bが言ってることはめちゃくちゃ分かる。でも、稀かもしれないけれど、「やりたい」じゃなくて素直に「助けてあげたい」っていう純度100％の優しさの場合もある思うんだよね。
B：それもあるとは思うけれど……
A：そういう人の場合は、単に病気や障害の知識不足ってことになるかな？
B：うーん、知識不足……経験不足かな。
A：経験不足っていうのは、「死にたい」って言う人を自分じゃ助けられないことが、前例がないから分からないってこと？
B：いや、例えば……いわゆる「ちゃんと自立した女の子」が、自分と向き合ってくれたっていう経験がないってこと。
A：どういうこと？
B：すごく悪い言い方をすると「弱ってる子につけ込む」手を使わないと、誰も自分に振り向いてくれないんじゃないか、みたいな気持ちがあるんじゃない？
A：なるほど、純度100％は自己肯定感の低さと紙一重か……。どれだけ考えても結局、男女の不健康マインドループから抜け出すには、勇気出して心から健康になるしかないってことだ。
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