「自分、メンヘラだと思う」
「彼女がメンヘラかもしれない」
「兄の彼女、行動が怖いの…」
「友達の彼氏、変わってるよね…」
今このサイトを見ている人は、メンヘラについて知りたいと思って辿り着いた人かもしれない。そして中には、困っている人がいるかもしれない。
メンヘラについて書かれた記事は多くあるが、事実だけ書かれた記事はまだ少ない。境界性人格障害というワードに辿り着いたとして、「そんな大袈裟な話ではない」と目を閉じる人も多い。
そんな人のために、メンヘラについて分かっている事実だけをまとめてみた。感情は切り離して、ご覧いただけたらと思う。
前回の記事
「あの子、変わってるよね」
「なんか面白いよね」
から、
「あの子、人格障害かもしれない」に辿り着く人は、どれくらいいるのだろう。メンヘラの7割が、境界性人格障害と言われている。
というのが前回の記事だ。
別にいいのだ、そんな思考に辿り着かなくても。ただ本人が苦しんでいれば、それで周りが苦しんでいれば話は別だ。好きで苦しんでいるわけではない、やりたくてやっているわけではないからこそ、どうすべきかを知る、考える必要がある。
メンヘラの語源
そもそも「メンヘラ」の言葉はどこからきたのか?
「メンヘラ」は、心の健康、すなわち「メンタルヘルス」の語尾に「er」をつけて人物を指すようになったものと言われている。あくまで「言われている」だけ、というのが事実である。
「メンヘラ」とは、2010年頃からネットを中心に広まりだした言葉で、「メンタルヘルス」という言葉に由来しています。この「メンタルヘルス」が、「メンヘル」→「メンヘラ」に変化したといわれています。
引用:ゼクシイ
メンヘラとは
メンヘラとは、いったいどういう状態を指すのか。実は、その定義はない。
かつては心の健康に悩んでいる人たちが、スラングとして「メンヘラ」を使っていたそうですが、現在はもっと広い範囲で使われており、精神的に不安定な人や心に闇を抱えた人、自傷行為をする人なども含まれる言葉になってきています。「メンヘラ=○○」という言葉の定義はないので、使用する際には注意が必要です。
引用:ゼクシィ
因みにWikipediaで検索した結果はこれだ。
・何らかの精神疾患を抱えている人や、抱えていると思われる人を指すネットスラング。特定の精神疾患を指すわけではなく、意味合いとしては曖昧である。2ちゃんねるのメンタルヘルス板において、「メンタルヘルス」を略して生じた「メンヘル」という単語から派生して生じた。
・ロックバンド、ミオヤマザキの曲名。
引用:Wikipedia
ミオヤマザキさんの曲名はともかく、何らかの精神疾患という曖昧な書き方をした上で、やはり「意味合いとして曖昧である」と書かれている。
つまり、昔は「何らかの精神疾患を抱えている人」という意味が強かったものが、今はなんとなく精神が不安定、なんとなくかまってちゃん、という曖昧なニュアンスで使われているだけなのである。
メンヘラの対処法①
これまでの話を踏まえると、メンヘラの対処法なんてない。なぜなら、メンヘラの定義がないから。
しかし、それでは話が進まない。「メンヘラの特徴を知って、その特徴に合わせた対処をしたいんだよ!」と。
そこで出てくるのが境界性人格障害なのである。何度も言うように、メンヘラの7割が境界性人格障害であると言われている。
「いやだからさ、大袈裟な話にするなって」
「いきなり俺の彼女、障害者認定するなよ!」
と熱り立った人は落ち着いてほしい。そして一度、境界性人格障害の特徴を見てほしい。
・不安定で激しい人間関係
・衝動性(例,安全ではない性行為,過食,向こう見ずな運転)
・自殺行動,自殺演技,もしくは自殺の脅しまたは自傷行為
・気分の急激な変化
・不適切な強い怒り
・妄想性思考……
「あれ……当てはまってるかも……」
そう、多くのメンヘラと呼ばれている人たちに当てはまる特徴だと思う。
「当てはまったんですけど……障害なんですか……」
と、怯える必要もない。メンヘラという曖昧な言葉だけが世の中に出回ってしまったが、本当に困ってる人たちのために、ちゃんと定義された人格障害という概念があるだけなのだ。
境界性人格障害という定義が存在しているということは、何人もの人が苦しんできたということであり、医学がそれを認め、研究を進め、対処法や治療法ができてきたということである。人格障害は、正しく対処すれば治る障害なのだ。
逆に言えば、治療をせずに自然に治ることはまずないということ、 放っておけば悪化する可能性が高いということでもある。
自分自身や身近なパートナーさえ対処法を知らないがために、悪化していく様子を何人も見てきた。だからこそ、まずはその事実を「知ること」が何より重要な対処法だと思う。
ネットでも情報を得ることができるが、知るには本が手っ取り早い。また改めて、おすすめの本を紹介しようと思う。
メンヘラの対処法②
病院やカウンセリングに行く一択だ。今はこれしかない。
知識をつけて「当てはまってるかもしれない」「どうしたらいいだろうか」「信頼できる本の言う通りにしてみよう」など考えたり行動したりしてみてもいいが、できれば「恐らく当てはまっている」「放おっておけば悪化する」という知識をつけた時点で専門家のところへGOしてほしい。
結局私たちは素人だ。間違った対処法をする前に、研究事実に裏付けされた現時点で最善の対策をするのがベストである。
海外では、メンヘラをはじめとする心の不調が現れる前段階で、「予防」としてカップルでカウンセリングに通うことが当たり前になってきている。きっと日本もそうなっていくだろうと予想している。
メンヘラについて知りたいと思ったあなたへ
現状に向き合うのは、すごくエネルギーがいる。困ってるからなんとかしたいと思ったあなたは、それだけでえらい。
もし、困っているのが自分ではない「誰か」だとしたら、その人のことが本気で好きだからこそ「なんとかしたい、助けたい」と思ったのだろう。
もしも、もしも「なんとかしたい、助けたい」と思うどころか、
「こいつメンヘラだから」
という言葉で片付けたり、調べる中で障害かもしれないと分かって、
「自分の彼女が障害かもしれないなんて恥ずかしい」
「やべえ、早く別れないと……」
と思ったならさっさと別れたほうがいい。相手の症状は日に日に悪化する。ついでに「相手から愛される自分」が大好きだっただけで、相手のことは好きじゃなかったと分かって良かったじゃんと言いたい。
また相手に「病院に行こう」と伝えたことで、
「え、障害じゃないし……かまってほしくて言ってただけだし……」
とメンヘラ態度が一変するのであれば、それはそれで解決だろう。「病院に行こう」と勇気を出して言わせるまでメンヘラを演じ続け自分を困らせてきた相手と、付き合続けたいと思うかは別だが……。
でも、難しいなとは思う。「人格障害かもしれないよ」と言われて、良い気分になる人はいないだろうから。本人に自覚がなければ「は?何いってんの?」と、お別れ覚悟の喧嘩になるだろう。
でも放おっておけば、いずれその人の周りから人は離れていく。「辛い」「死にたい」と言って、その人はまた新たな第三者を見つけ、新たな被害者を生み出す。そのうち、第三者は見つからなくなる。こころの病気は加速する……見て見ぬ振りしてその人から離れることは簡単だが、根本的な問題解決にはなっていない。その人も、その人とこれから関わる人も、誰も幸せにならないのだ。
解決できるかどうかはともかく、第一歩として、まずは知ること。その上で、一緒に考えてみること。知識をつけて病院やカウンセリングを頼ることが、もっとカジュアルにできる世の中になるといいなと思う。
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