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B:強迫性障害って遺伝なの?
A:半々かな。50%遺伝って言われている。
B:双極性障害は80%遺伝と言われているけれど、強迫性障害も結構遺伝するんだね。
A:強迫性って、複雑だけれど「強迫性人格障害」と「強迫性障害」があるのよ。ざっくり言うと、強迫性人格障害含めた「〇〇人格障害」は「その人の性格や個性として捉えられやすい障害、自分は困らなくとも第三者が困ることがある障害」って感じかな。「〇〇障害」は「性格や個性とは考えられにくい、コントロールができず生活に支障が出て困る障害」。
B:うんうん。
A:もともと強迫性人格障害っぽいところはあって。それが一時期に、障害になっていたのだと思う。と言っても診断を受けていないから、あくまで予想でしかないのだけれどね(笑)
秩序,完璧主義,ならびに自己,他者,および状況のコントロールに対するとらわれの持続的なパターン。このパターンは,以下のうちの4つ以上が認められることによって示される
・細部,規則,スケジュール,秩序,およびリストに対するとらわれがある
・仕事の完成を妨げてでもある物事を完全に行おうと努力する
・仕事および生産的活動へ過度に専心(経済的必要性によるものではない)し,結果的に余暇活動および友人を軽視する
・倫理的および道徳的問題や価値観に関して過度に誠実,潔癖で柔軟性がない
・感情的価値のないものであっても,使い古されたものまたは不要なものを捨てようとしない
・他者が正確に患者の望む通りに物事を行うことに同意しない限り,他者に仕事を任せたり,他者とともに働いたりしたがらない
・金を将来の災害のために取っておくべきものと考えているため,自分および他者に対して金銭を出し惜しむ
・柔軟性がない,頑固
また,症状は成人期早期までに始まっている必要がある
「強迫観念」と「強迫行為」の2つの症状があります。強迫観念とは、頭から離れない考えのことで、その内容が「不合理」だとわかっていても、頭から追い払うことができません。強迫行為とは、強迫観念から生まれた不安にかきたてられて行う行為のことです。自分で「やりすぎ」「無意味」とわかっていてもやめられません。
代表的な強迫観念と強迫行為
・不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえす、ドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れて、さわれない。
・加害恐怖
誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、警察や周囲の人に確認したりする。
・確認行為
戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する(何度も確認する、じっと見張る、指差し確認する、手でさわって確認するなど)
・儀式行為
自分の決めた手順でものごとを行わないと、恐ろしいことが起きるという不安から、どんなときも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない。
・数字へのこだわり
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる。
・物の配置、対称性などへのこだわり
物の配置に一定のこだわりがあり、必ずそうなっていないと不安になる。
A:強迫性自体は、良く言ったら「信念が強い」とか「物事をやり遂げられる」とか。
B:良いことだよね?
A:良いほうに働けばね。私の父方も母方も「何かをやり遂げて功績を残しました」っていう人が多かった。ストイックで結果を残せるけれど、コントロールができないと「そのことしか考えられなくなっちゃう」とか「できない自分を責め続ける」とか……
B:なんか大変そう。
A:そう、大変(笑)関係あるか分からないけれど、大学受験のときも「勉強しなきゃ、勉強しなきゃ」っていう脳だったなぁって。何をしていても勉強のことが頭にあったり、勉強していない時間に禁断症状で蕁麻疹が出たり(笑)他にもそういうことが昔から多くあったから、遺伝なのかなぁって。
B:そうなのかもね…・普通の鬱は、遺伝じゃないらしいのにね。
A:いわゆる一般的な鬱病は遺伝じゃないって言われているよね。
B:遺伝が関わってくる病気も、ものによりそうだね。
A:うん。「遺伝6割、環境4割」論が相変わらず強いけれど、遺伝に関しては様々な研究や意見があるよね。
B:それから私の場合、考えてもなんでこんなに鬱になるか分からないんだよね。これだ!っていう明確な理由がない。漠然としんどい、漠然と死にたいみたいな。だから遺伝なんだろうと思っている。
A:その「漠然と死にたい」って感覚、たまに聞くけれど何なのだろうね。遺伝なのかなぁ……。
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