【最愛10話最終回】全てが悲しくも明らかに 考察・伏線・ネタバレまとめ

最愛

最愛あらすじ

サスペンスラブストーリー!“事件を追う刑事は、かつて心を通わせた最愛の人だった”

殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(さなだ・りお)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が起きた。15年後、時代を牽引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動き出す。過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていく・・・その事件の真相に迫る姿を完全オリジナルで描く。

https://www.tbs.co.jp/saiai_tbs/archive/20210814/
放送開始日2021年10月15日(金)22時〜
放送TBS系
キャスト吉高由里子さん、松下洸平さん、井浦新さん、田中みな実さん、薬師丸ひろ子、光石研さん、及川光博さん、ほか
原作
プロデュース新井順子さん
監督・企画塚原あゆ子さん、山本剛義さん、村尾嘉昭さん
脚本奥寺佐渡子さん、清水友佳子さん
主題歌宇多田ヒカルさん「君に夢中」
動画配信Paravi
公式サイト/SNS番組HPtwitter Instagram

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10話最終回あらすじ(12月17日)

ついに、すべての真実が明らかに…!
それぞれの最愛…そして梨央が下す決断とは――?

https://www.tbs.co.jp/saiai_tbs/story/ep10.html

10話最終回ネタバレ(12月17日)

梨央「従業員の皆様へ。この度のことで、皆様を不安にさせてしまって申し訳ありません。私の母、真田梓は詐欺容疑で逮捕されました。後藤専務は病院で治療を受けています。警察に事情をお話したところ、転落事故として処理されることになりました。会社の信用を一日でも早く取り戻すこと。それが今、皆様にできる私の償いです。」

大輝と藤井と、新たな証拠品

15年前の夜、渡辺康介殺害事件の現場に大輝がいたのでないかと疑う藤井。藤井は、どうしても気になることがあると言います。康介は梨央に睡眠薬を飲ませており、梨央は5、6時間昏睡していたはず、眠っている梨央を運び、一方で遺体は山に遺棄して現場の証拠を消す、これら全てを成し遂げるには、一人では無理だと。そのことで、梓を尋ねたと。

藤井「達雄さんに罪を被せて、罪を逃れた者がおったんなら、許せんことです……「大麻やっていた者は、酔いつぶれてシロ。飲みに行った俺らもシロ。寮に出入りできて、アリバイがないのは先輩一人」
大輝「俺は……(姉の結婚式で)大阪にいた」

ちょうど、テレビで梓の記者会見が報道されます。それを見ながら「もう一人いましたか。犯罪をためらわない者が」と藤井。

そこに、当時のマネージャー青木がやって来ました。事件当時、青木が水を飲みに合宿所の1階に降りたとき、達雄が誰かと話していたのを聞いたと言います。そして薬の小瓶を拾い、今でも隠し持っていると。

後日、青木は瓶を大輝に渡します。青木は、瓶を証拠に康介を訴えようかと思ったが「出来なかった」と告白。「辛いことを思い出せてごめん」と謝る大輝。事件を解決して、巻き込まれた人たちに幸せになってもらいたい。辛い目に遭った分、人の何倍も幸せなって欲しいと大輝は思います。

警察では、「梓は殺しについて黙秘。動機は十分」と山尾。大輝は小瓶を桑田に渡し、康介殺害事件に共犯者がいた可能性があることを伝えます。

橘の葬儀に訪れていた梨央は、大輝と出会います。互いを気遣い、「困っている人を助けたい。だから刑事になった」「優を助けたいと思ってた。社長になるなんて思わなかった」と二人。そして全て落ち着いたら、これからのことを考えようと約束。

大輝「全部、片付いたら、前に言った……」
梨央「二人で、これからのこと考えよう」

真田ウェルネス社長の決断

梓は、後藤の罪を黙認していました。後藤を見舞い、それを確認する梨央。後藤は「会社に戻るつもりはない、もう戻る場所はない」と言います。そして、橘のことは「殺していない」と。梨央は「力を貸してほしい」と後藤に頼み、それから加瀬に声を掛けます。

その後、政信と会った梨央は、政信共々会社から離れることを提案。このままでは新薬の申請が認められないかもしれない、真田グループ信用回復のためには創業家全員が経営から離れることが必要だと言い切ります。そこに後藤が加わり、新社長に適任な人材・堂本尚史氏を外部から迎え入れること、梨央が社長辞任をした場合の企業価値について話します。こうして政信も決意を固めました。

加瀬とともに帰宅した梨央は、優に社長を辞任することを話します。優は薬のことを心配しますが、「誰にも渡さんよ」と梨央。加瀬は梨央の考えを最善策だと話し、梓と親子として話し合うように進言しました。

後日、記者会見を開き社長から退いた梨央と政信。梨央は、一社員として働きます。新薬は、あとは承認を待つのみです。

事件の進展

梓は詐欺罪で起訴されましたが、昭と橘の殺害事件には黙秘を続け、警察の捜査も行き詰まりをみせていました。関係者の身辺調査から不審な点は見つからず、薬の小瓶からも指紋は発見されませんでした。そして、橘の転落死に事件性はないと判断され、捜査は打ち切られます。

事件が解決されないまま山尾は昇進、桑田は憤慨します。事件の解決を諦めないと宣言後、桑田は山尾に、管理官と接待麻雀をしていたことをもちかけ、大輝をまた捜査第一課に異動させることに成功しました。

大輝「未解決の事件はいつまでも心に引っかかる。未来が断たれた人たちの顔が忘れられなかった」

大輝は橘の母親から、橘が複数の精神科に通院しており、転落したその日に薬を変えていたことを突き止めました。その結果、薬の副作用で発熱していた可能性があり、死亡推定時刻に誤りがあったことが判明したのです。死亡時刻は推定時刻より2・3時間前、午後6時・7時に死んでいたことになり、

「その時刻にアリバイがないのは……」

二人は、一人の人物に疑いをかけます。

「芝池付近に足痕と推定身長が一致、昭さんと、橘さんとの接点はないけれど事件にかかわっていたら……」桑田から連絡を受ける大輝。大輝はその人物に、電話をかけました。

一方、真田ウェルネスでは無事新薬が承認され、社員一同が喜びに包まれていました。

犯人特定と、事件の真相

大輝が電話をかけた相手は、加瀬でした。15年前の事件について、さらに昭が殺害された時刻、橘が亡くなった時刻のアリバイについて尋ねますが、加瀬は濁します。加瀬は渋谷で、梨央に買う手帳を見ていました。大輝は、電話から聞こえる放送音で「渋谷プラザ」だと特定、桑田はすぐに渋谷プラザの防犯カメラで加瀬を観察します。

大輝「朝宮達雄さんとはいつからのお知り合いですか」
加瀬「さぁ、覚えていません……朝宮さんとは何度かお会いしただけです。あれほど家族を思う方を私は知りません」

ーー真相が明らかになるときの演出、ブラックボックスがここから続けて3回開きますーー

ブラックボックス①康介殺害事件

康介殺害事件当日。梨央を東京に引き取る加瀬は、達雄とレストランで会っていました。そこに、取り乱した優から電話がかかってきます。急いで帰ると、あの康介が倒れている事件現場が。達雄は思わず叫びます。そして、その叫び声を聞いて、車から家の中にやって来たのが……加瀬でした。加瀬は、達雄を家まで送っていたのです。

康介の首に手をあてる加瀬。そして110番通報しようとする加瀬を、達雄が止めました。

達雄「見なかったことにしてください!」

必死な達雄に対して、加瀬は「優は未成年だから、法律が守る」と言いますが「優を人殺しにはできない!法律の物差しで言わんでください!私は家族の話をしている、子どもをさらし者にはできない!お願します!」と達雄。そして加瀬は覚悟を決め、達雄と二人で、梨央と優を部屋に連れて行きます。

加瀬「お姉さんを守ったんですね」

優を抱きしめる加瀬。それから、加瀬と達雄は康介の死体を埋めました。あのお守りも一緒に……。

現代。加瀬がいる渋谷プラザに、大輝が来ました。大輝は電話をしながら加瀬を探します。

大輝「2006年9月21日、どこにいましたか」
加瀬「東京にいたと思います。岐阜には行ってません」

そして、昭の事件のあった8月3日の夜は「自宅にいた」と答える加瀬。

ブラックボックス②昭殺害事件

梨央を付けさせていた部下から加瀬は、梨央がおかしな場所で下車したと連絡を受けとり、あの芝池公園へ。そこで倒れている昭を見つけます。「大丈夫ですか?」と昭を助ける加瀬。すると昭は「康介を殺した男を見つけた。弟やった。警察に連れて行ってくれ。なんで康介は殺されなかったんや」と、事件のことを叫び出します。

昭が康介の父親だと気づいた加瀬。

加瀬「悪いことをしたからです。あなたの息子のせいで、真面目に生きてる人たちの人生が狂わされた」
昭「ちょっとだけ悪戯しただけやんか。警察に知らせんと……」

立ち上がる昭を、加瀬が阻止。そのまま昭は川に倒れ、頭を石にぶつけて……。このとき昭は、加瀬の内ポケットにあるペンを手にしていました。これが、現場にあったペンでした。

新薬の承認を喜ぶ梨央は、加瀬に連絡を入れます。留守電に「早く来て」と。

大輝は、監視カメラで加瀬を見ている桑田からの指示で、加瀬のいる3階に向かいます。

大輝「(橘の)事件の夜、誰かに会っていましたよね?」
橘「いいえ」

ブラックボックス③橘死亡事件

事件の夜、橘と会っていた加瀬。橘は記事のゲラを片手に「真田梨央の弟は人殺し、父親は死体遺棄、会社は不正を行っている。真っ黒じゃないですか!」と叫びます。「薬が承認されるまで待ってほしい。薬ができれば多くの人が救われる。それだけを考えてきたんです」と土下座する加瀬。それでも橘は「記事を出して、世の中は不公平じゃないって知らせたい」と。

ビルの外階段にまでもつれ込んだ2人、そのまま揉み合いになり橘は……転落してしまいました。救急車を呼ぼうとして携帯を取り出した加瀬でしたが、かけることなくポケットにしまい直しました。

加瀬「聞きたいのは、橘しおりさんのことですか?事故で亡くなったと聞きました」
大輝「なぜ一線を踏み越えた?踏み越えたら戻ってはこれない」
加瀬「戻るつもりはない。法律では守れないものがあるからです。私が思うことはひとつしかありません。ふたりには一点の曇りがない人生を送ってほしい。それだけです」
大輝「どこに逃げよる!二人にとって、お前がいなくなることがどういうことか分かるのか!」
加瀬「頼みましたよ、宮崎さん。ようやく手に入れた二人の幸せを壊さないでやってください」

電話は切れました。

加瀬の願い、大輝と梨央

梨央は、大輝に薬が承認されたことを電話で伝えます。

梨央「大ちゃん、承認された!早く知らせたかった!」
大輝「長かったな、おめでとう……梨央、幸せか?」

大輝は涙をこらえながら梨央に問います。

梨央「こんな幸せな日はないわ」

「一つの目標を達成した今、次の目標に向かいます。人生最良の16年間に感謝します」と置き手紙を残し、加瀬は姿を消しました。

後藤は梓の面会に行きます。警察で梓のアリバイが見つかり、容疑が晴れたことを伝えました。

梓「そう。アリバイ、見つかっちゃったの……」
後藤「ペンは見つかりましたか?」
梓「あれはね、あげたの。だから、探さないで。そのままにしておいて」

後藤は罪を告白することを梓に告げます。「いいのよ」と梓。「私もそちら側に行きます」と後藤。

梨央「加瀬さん、今どこにいますか?あれから事件がどうなったのか、あの人に尋ねても「捜査情報は話せない」と教えてくれません。嘘のつけない人だから、私に隠していることが分かるのは確かです」

警察では、桑田と山尾が、加瀬に関する証拠がないため本人を見つけて自供をとるしかないと話しています。一方優は、大学の友達から新薬のことを聞かれ「昔の記憶は戻らない。でも、これからのことは覚えてる」と明るく答えています。

梨央「優は将来の夢に向かっています。どうして、私たちの前からいなくなったのか話せる日が来たら戻って来てください。どんな事実でも、私たちは受け入れる覚悟です。加瀬さんが無事でいてくれることが、私と優には大事です。どうか、元気でいてください」

梨央は赤い手帳を広げます。そこには「RIO.S」のイニシャルが。それは加瀬からの最後のプレゼントでした。

最愛、完結

時は過ぎ。

雪の降る中、梨央と大輝は達雄の墓参りに来ていました。

梨央「私は今の生活が十分、幸せ。大ちゃんは?」
大輝「俺はお前が笑ってとればそれでいい……」
梨央「大ちゃん、私、何となく分かっとるよ。加瀬さんのこと」
大輝「何のことや」

二人は手を繋ぎます。

梨央「ちっちゃい手やな」
大輝「あったかい手やな」

伏線・考察

康介殺害事件、達雄の共犯者は加瀬

加瀬と達雄の接点が、10話にて初めて描かれました。はじめは警察に通報しようとしていた加瀬でしたが、達雄の熱意に負けてしまったのです。そしてこれが、加瀬の罪の1つ目となりました。ここから、加瀬の中の正義は少しずつ形を変えてしまったのかもしれません。

昭殺害事件、犯人は加瀬

こちらも、10話にて初めて明らかになりました。それもそのはず、加瀬は昭と接点は事件そのときまで全くなく、康介の父親だとも知らなかったのです。昭から発された言葉が、加瀬の家族への思いを刺激してしまいました。加瀬に明確な殺害意思があったわけではないですが、昭は川に……。

橘死亡事件は事故。だが揉み合いになっていたのは加瀬

真田ウェルネスを守るため、土下座までして頼み込んでいた加瀬。橘は、最後は「梨央と自分の不平等さ」という個人的感情のみで行動していました。加瀬に殺意があったわけではなく、橘が落ちたのは事故。しかし通報しなかったことは、新薬の発表を控えた真田ウェルネスを守る加瀬の強い意思です。

梓は、加瀬が昭殺害の犯人だと気づいていた

黙秘、自分のアリバイが見つかり悲しむ姿、ペンの探求を止めたことから、梓は加瀬が犯人、または何らかの形で事件に関わっていたことを分かっていたのでしょう。自分の身をかけてまで守りたいほど、梓にとって加瀬は大きな存在だったことがはっきりと映し出されました。

きれいに、全ての謎が、悲しく明らかになりました。

あとがき

大輝と梨央が幸せそうに手を繋ぐ、誰もが望んだハッピーエンド……

そのハッピーエンドは、加瀬によってもたらされたものでした。そして、加瀬さんがいない結末をハッピーエンドと呼べるかどうかは分かりません。血が繋がっていない加瀬さんが、誰より家族のことを想い、血が繋がっていないからこそ最も悲しい選択を1人で背負ってしまった。どの人物の心の中を想像しても、張り裂けそうな痛みが伴います。

「Nのために」と同じ、皆それぞれの「最愛」を守ろうとしたこのお話。

梨央は優を、大輝は梨央を、優は梨央を、達雄と梓は子どもたちを、政信は家族を、後藤は梓と会社を、昭は康介を、そして加瀬は…………

最愛である誰かを守ることはときに生きがいとなり、また誰かに守られていることはときに生きる勇気となります。人は一人では生きられないを美しく体現したドラマでした。どうか、梨央と大輝が幸せでありますように。加瀬さんが、いつかまた、梨央たちのもとへ帰って来てくれますように。

「真相は愛で消える。全ては愛するがゆえに。」

今期No.1ドラマでした。出演者の皆様、スタッフの皆様、お疲れ様でした。素敵なドラマを、ありがとうございました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!twitterにもぜひ遊びに来てください。

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