今話題になっている『東京卍リベンジャーズ』について語ります。漫画とアニメ中心に内容を記載していきたいと思います。
- 東京卍リベンジャーズとは?
- 東京卍リベンジャーズのあらすじ
- なぜ話題になっている?
- 感想
- ネタバレ&考察
- ストーリーは5章、タイムリープは10回
- あらすじ(コミックス1巻 アニメ1話)
- 1回目のタイムリープ・きっかけは『握手』(コミックス1巻 アニメ1話)
- 2回目のタイムリープ『マイキーとの出会い』(コミックス2巻 アニメ2〜3話)
- 3、4回目のタイムリープ『8・3抗争でドラケンを救う』(コミックス2〜4巻 アニメ4〜11話)
- 5、6回目のタイムリープ『血のハロウィンで死者を出さない』(コミックス4〜8巻 アニメ12〜24話)
- 7、8回目のタイムリープ『聖夜決戦で八戒による大寿殺害を止める』(コミックス8〜14巻)
- 9回目のタイムリープ『関東事変で黒川イザナ&稀咲を追い詰める』(コミックス14〜22巻)
- 9回目のタイムリープ『高校生』(コミックス22巻〜)
- ラスボスは誰?タイムリープしている人物がもう1人いるのでは?
- まとめ
東京卍リベンジャーズとは?
『東京卍リベンジャーズ』とは、『週刊少年マガジン』(講談社)にて2017年13号から連載中の和久井健さんによる漫画です。2021年10月現在で単行本は24巻。テレビアニメ化、実写映画化、舞台化が行われ、「東リベ」「東卍」という呼称とともに一大旋風を巻き起こしました。
テレビアニメは2021年4月から9月まで毎日放送、テレビ東京系にて全24話が放送。映画は2021年7月9日に公開、北村匠海さん、吉沢亮さん、山田裕貴さん、間宮祥太朗さん等、若手イケメン俳優により実写化されました。舞台は2021年8月3都府県において、木津つばささん主演で公演。
ジャンルは「ヤンキー」「ミステリー」「SF」に分類されます。
【アニメ情報】
東京卍リベンジャーズのあらすじ
『新宿スワン』作者の和久井健が贈る、最新巨編!!
人生どん底のダメフリーター花垣武道(タケミチ)は、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人・橘日向(ヒナタ)が、最凶最悪の悪党連合”東京卍會”に殺されたことを知る。ある日、人生のピークだった12年前の中学時代にタイムリープし、恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始するストーリー。
https://tokyo-revengers-anime.com/news/archives/8
ヤンキー漫画であり、SFであり、アクションであり、ミステリーであり、サスペンスであるという『東京卍リベンジャーズ』。最初にあらすじを読んだ感想は、
またタイムリープモノか〜。おもしろそうだけど現実離れしている人間ドラマは苦手だなぁ。タイムリープ×ミステリーは『僕だけがいない街』で充分かな。
でした。
なぜ話題になっている?
『東京卍リベンジャーズ』は2021年の顔と言っても過言ではないほど話題になっています。
「『東京卍リベンジャーズ』は絶対観たほうがいい!これはタイムリープモノの代表作になるから!」と知人から強く勧められ、それからあれよあれよという間にアニメ化、実写化の運びとなりました。SNS、コンビニやスーパーでもコラボイベントを多く見かけるように。
なぜこれほど話題になっているのでしょうか?ネタバレに配慮しながら解説します。
『ランキング1位』と『受賞』 ネタバレ度★☆☆
2017年から連載が始まり、2021年10月現在3200万部を突破、さらに実写映画版も興行収入30億円を突破した『東京卍リベンジャーズ』は数々の受賞と1位を独占し続けています。
第44回「講談社漫画賞」少年部門受賞
2017年の新連載で1番売れたサスペンス漫画
2017年の新連載で1番売れたタイムリープ漫画
LINEマンガ総合ランキング1位
ホリエモンが選ぶ今読むべき漫画11選ノミネート……
『今最も注目されているストーリー』であることは一目瞭然です。受賞の事実だけでも「どんなストーリーか1度観てみよう」と思う人が後を立ちません。
ヒットの法則①タイムリープ ネタバレ度★☆☆
『時をかける少女』『サクラダリセット』『ORANGE』『信長協奏曲』『魔法少女まどか☆マギカ』『僕だけがいない街』『Re:ゼロから始める異世界生活』『ハッピー・デス・デイ』『『TENET テネット』『テセウスの船』……タイムリープモノには、誰もが知っているヒット作品が多くあります。
『君の名は。』が一世を風靡したことも記憶に新しいです。そもそも人生をやり直すことができる『タイムリープ』という現実不可能な設定に、多くの人間が惹かれてしまうことが分かります。
もう1点、タイムリープモノの共通点として、タイプリープする人間が人生を『自分のためにやり直す』のではなく『大切な人のためにやり直している』ことが挙げられます。私たちは、『自分のため』を超えたときに初めて、生きる意味や新しい世界を見られると考えているのかもしれません。
ヒットの法則②複雑ミステリー ネタバレ度★★☆
本作品のジャンルにある『ミステリー』『サスペンス』要素はおまけではありません。物語の主軸です。
『ミステリー×タイムリープモノ』と言えば、『僕だけがいない街』『テセウスの船』が思い浮かびます。どちらも「過去に起きた殺人事件を主人公がタイプリープして解決しようとする作品」です。「事件を解決したと思ったが、現在に戻ってきたら全く解決できていなかった」「むしろ事態が悪化していた」など、タイムリープを絡めた展開は謎をより深めていきます。
また共通点として、人間関係が複雑であることも挙げられます。多くの登場人物の過去と現在を行き来させることで、犯人が検討もつかなくなるような仕掛けは、ミステリー好きにはたまらないのだと思われます。謎解き名人は、ぜひ主人公とともに謎を解いてほしいです。
ヒットの法則③ヤンキー ネタバレ度★☆☆
どの時代にもヒット作品が存在するのが、ヤンキーが主役のストーリーです。
『男一匹ガキ大将』から始まり、『湘南爆走族』『ビー・バップ・ハイスクール』『ホットロード』『ろくでなしBLUES』『クローバー』と、昔から途切れなかったヤンキー主演の作品たち。近年でも、合計興収60億円を超えた「クローズZERO」シリーズ、50億円を超えた「今日から俺は!!」はゴリゴリのヤンキー映画です。
ヤンキーは何故人気なのでしょうか?ちなみに、私もヤンキーが大好きです。
1つは、「義理人情」にかける「熱さ」。ヤンキーは何かにつけてすぐに喧嘩をしますが、背景には必ず「仲間」の存在があります。仲間を守るために戦う姿は、今でこそ「暴力はダメでしょ」「ダサい」と他人事のフィクションに思う反面、「大事なものを守るかっこ良さ」には変わらず強く打たれてしまうのではないでしょうか。どの時代も、人間はそんな「熱さ」を求めている気がします。
もう1つは、『ヒーローへの憧れ』。ヤンキー作品の主人公は、大抵が喧嘩もしたことがない弱い少年であることが多いです。少年が何かを守りたい一心で強くなっていく様子が人間の「ヒーロー願望」を刺激します。そして、そのまま主人公が無敵のヒーローになる場合もあれば、とてつもなく強い仲間たちと共に戦う場合もありますが、待っているのは『無敵の強さ』で『悪』に立ち向かう勧善懲悪の世界です。正に『ドラゴンボール』『ワンピース』『NARUTO』と同じ構造です。
さらにもう1つ、時代背景も重要です。少年ジャンプの『努力・友情・勝利』三原則のうち本作は『友情』『勝利』を満たしていますが、「努力」論が嫌われている現代の傾向が後押しし、そこに『タイムリープ』が加われば『友情×勝利×タイムリープ』という現代に適したヒットジャンルが誕生するのです。
また現代、ヤンキーは日常でほとんど見ることのないいわば『絶滅危惧種』です。大人たちは「懐かしいな〜」と思い出に浸りながら、若者たちは「本当にこんな生き物がいたの?」とまるで図鑑を観るような新鮮さで観ることができます。ヤンキーという生態は、実はどの年齢層も楽しめるかなり優秀な題材なのです。
魅力的な全キャラクター ネタバレ度★★☆
東京卍リベンジャーズには、主要キャラだけで30名以上が登場します。上でも述べた、ミステリーの複雑を助長する一要因です。
通常キャラクターが多すぎると混乱を引き起こしがちですが、『東京卍リベンジャーズ』は1人1人キャラクターが立っており、とても魅力的です。登場人物全員に、濃いエピソードがあります。
その特徴から、47都道府県に1人1人キャラクターが割り当てられる地方創生イベントも行われました。
「マイキー推し」「ドラケン推し」などそれぞれ「推し」を持つことはもちろん、「場地の神回」「エマの神回」など回をキャラクターの名前で語り合うことも少なくありません。
全体を俯瞰して見るも良し、誰かに共感して見るも良し、「自分だったら誰の立場にいるかな」と主観で見るも良し、自分に合ったキャラクターの見方をして楽しめる作品です。
『日和ってる奴いる?いねえよなぁ!』のバズ ネタバレ度★★☆
本作には『マイキー』という無敵のキャラクターが登場します。そのマイキーが、ヤンキー仲間を鼓舞するときの台詞である、
「日和ってる奴いる?いねえよなぁ!」
が大バズりしました。SNS時代だからこそです。連日TikTokではこの台詞を利用した多くのパロディ動画が見られ、海外では「東京卍會」のコスプレイヤーが続出しています。漫画やアニメを知る前に、この台詞が耳に入った人もいるのではないでしょうか。
絶滅危惧種ヤンキーによる熱くて「ヤンキーらしい台詞」は、やはり現代から見て目新しく新鮮なのだと思います。こうしたバズリも、人気を助長している要因です。
感想
友人に勧められたのを機に、まず漫画を読みましたが、
お、おもしろすぎる…………!!!!!!
手が止まらず、最新刊まで一気読みしてしまいました。その後、ちゃっかりアニメも視聴。
もともと「仲間」「青春」「ヤンキー」のような人間ドラマ要素が大好きなので、ハマるのは必然でしたが想像以上にハマりました。
タイムリープモノは、途中で時系列が迷子になることも起こり得ますが本作はいつでもどこでも好きに戻れる設定ではないため、比較的分かりやすかったです。どのタイムリープで何が起きたか、自分用にまとめたのものは下記で展開しております!迷子になった際の参考になれば嬉しいです。
ネタバレ&考察
ここからはネタバレと考察です。
ストーリーは5章、タイムリープは10回
現時点で発売されている24巻までで、ストーリーは大きく5章に分かれます。
第一章「8・3抗争」(コミックス1〜4巻、アニメ1〜11話)
第二章「血のハロウィン」(コミックス4〜8巻 アニメ12〜24話)
第三章「聖夜決戦」(コミックス8〜14巻)
第四章「関東事変」(コミックス14〜22巻)
第五章「高校生編」(コミックス22巻〜)
なお24巻までで武道がタイムリープした数は「10回」。そのうち、10回目のタイムリープだけは、「直人との握手」ではなく「マイキーとの握手」で発動していることがポイントです。
ここからは時系列に沿って、「章」と「タイムリープ」に焦点を当てながら解説をしていきます。
あらすじ(コミックス1巻 アニメ1話)
この物語は、主人公「花垣武道」が元カノ「橘日向(ヒナ)」の死を防ぐため、タイムリープを繰り返すストーリーです。
中学時代は不良だった武道ですが、26歳の現在は冴えないフリーターでした。そんな中、当時付き合っていた彼女「橘日向」と、日向の弟「橘直人」が暴力団の抗争に巻き込まれて死亡したことをニュースで知ります。その後、武道も何者かに背中を押され、電車のホームに突き落とされてしまいます。死を覚悟した瞬間、武道は12年前の今日、中学2年生の不良だった時代にタイムリープしていました。
物語はここから始まります。
1回目のタイムリープ・きっかけは『握手』(コミックス1巻 アニメ1話)
12年前の2005年7月4日、武道がタイムリープした過去では、東京卍會の一員である清水将貴(キヨマサ)に、武道の中学の不良グループ「溝中五人衆」がこき使われる日々でした。
その後、公園で不良に絡まれている真面目な中学生を助けると、偶然にもそれはヒナの弟である直人でした。武道は直人に、タイムリープしてやって来たこと、12年後の7月1日に直人とヒナが死ぬことを伝え、
「この日を覚えとけナオト!そんで姉ちゃんを守ってくれ!!」
と握手をします。すると再び現代へ。そしてそこには、大人になった直人の姿がありました。
直人は過去で武道に言われた言葉を覚えており、7月1日に自分の死を防ぐとともに、電車のホームから転落した武道を救ったのです。同時に武道は、直人との握手がタイムリープのトリガーになっていることに気づきました。
何故、直人との握手がトリガーになっているかは未だ分かりません。また、24巻では直人以外の人物(マイキー)との握手でもタイムリープを発動しています。
1度目のタイムリープで直人の死を防ぐことはできたものの、ヒナは変わらず暴力団に殺されてしまっていました。ヒナを殺害した暴力団・東京卍會の詳細を直人と調べつつ、ヒナを救うため武道は再び過去へ戻ることを決意します。
2回目のタイムリープ『マイキーとの出会い』(コミックス2巻 アニメ2〜3話)
2度目のタイムリープの目的は、ヒナを殺害した暴力団・東京卍會の2トップ、佐野万次郎と稀咲鉄太を出会わせないことです。
タイムリープした過去は、相変わらずキヨマサにこき使われる日々でした。そんな状況を変えるため、武道はキヨマサにタイマンを持ちかけます。ボロボロにやられながらも、仲間を守るため、未来を変えるため武道は諦めませんでした。その様子を見ていたのが、東京卍會の副総長龍宮寺堅(ドラケン)、そして武道が今回タイムリープした目的でもある総長佐野万次郎(マイキー)でした。
2人はボロボロになっても諦めない武道を買い、
「今日から友達ね、タケミッチ」
と、そこから3人の交流の日々が始まりました。武道がヒナの殺害に関わっていると思われたマイキーが人殺しをするような人物ではないと確信したところで、一度現代に戻ります。
現代に戻ると、武道は久しぶりに溝中五人衆の1人である「千堂敦(アッくん)」に会いに行きました。ところがそこで、武道をホームの線路に突き落としたのはアッくんだったことを知るとともに、アッくんは現代の東京卍會に怯えながら飛び降り自殺をしてしまいます。
その後、直人とともに情報を調べる中で12年前の8月3日、東京卍會の内部抗争でドラケンが死亡したことを知ります。精神的支えであったドラケンが死んだことでマイキーが変わってしまったと考えた武道は、内部抗争を阻止することを目的に、ヒナだけでなく、ドラケンやアッくんをも救うため3度目のタイムリープを決意します。
3、4回目のタイムリープ『8・3抗争でドラケンを救う』(コミックス2〜4巻 アニメ4〜11話)
3、4度目のタイムリープの目的は、8月3日にドラケンを死なせないことです。
タイムリープした過去では、東京卍會と、暴力団「愛美愛主(メビウス)」の抗争が始まろうとしていました。東京卍會の参番隊隊長「林田春樹(パーちん)」の親友が愛美愛主にやられ、マイキーは8月3日に復習をすることを鼓舞します。
ちなみに、そのときの台詞こそがこちらです!
「パーの親友(ダチ)やられてんのに、“愛美愛主(メビウス)”に日和ってる奴いる?いねえよなぁ‼?」
抗争を嗅ぎつけた愛美愛主の総長・長内信高は、抗争前日である8月2日にパーちんを襲います。マイキーが長内を倒したことで愛美愛主との抗争は集結したかに思われましたが、パーちんが長内への恨みを抑えることができず、長内を刃物で刺してしまいます。
このとき少年院へ収監されたパーちんを救いたいマイキーと、パーちんの気持ちを尊重しようとするドラケンの間で抗争が起き、そのまま内部抗争という最も心配していた事態に発展するかと思われましたが、武道の必死に説得で二人を仲直りさせることに成功します。
「今後もマイキーとドラケンの内部抗争は絶対に起きない」と確信した武道は1度、愛美愛主を調べるため現代に戻ります。そこで現代の長内と会い、長内はずっと何者かに利用されていたという情報を得て再び過去に戻ります。
過去では、パーちんの側近であった「林良平(ペーやん)」が、パーちんが捕まったのに何もしない東京卍會を恨み、陰で愛美愛主と手を組んでしまいました。そしてひっそりと、8月3日ドラケン襲撃を計画していたのです。
一方内部抗争を止めたことで、8月3日の抗争はなくなったと思い込んでいる武道は、ヒナとドラケン、そしてマイキーの妹でありドラケンに思いを寄せるエマとともに地元の祭りに出かけていました。祭りを楽しんでいた武道でしたが、途中でキヨマサがドラケン殺害を試みていることを知り、改めて今日が「8月3日」であることを認識して震えます。
ドラケンが死亡するはずの駐車場に向かうと、既にそこには愛美愛主とぺーやん、そして彼らに攻撃されているドラケンの姿がありました。マイキー率いる東京卍會のメンバーがかけつけ、結局、8月3日に東京卍會対愛美愛主の抗争が始まってしまいました。
ドラケンを守ろうとする武道ですが、案の定キヨマサによってドラケンは刺されてしまいます。しかし、まだ息があるドラケンをなんとか救おうと、武道は乱戦の場から離れ助けを求めます。離れても尚キヨマサたちに囲まれましたが、かけつけた溝中五人衆の活躍や、ヒナとエマの応援で、なんとかドラケンの命を救うことには成功しました。目的を果たせた武道は、再び現代へと戻ります。
このときの「溝中五人衆」の活躍には号泣してしまいました……友情っていいですね……
ドラケン殺害を止めたことで、未来は変わっていました。ヒナが生きていたのです。武道は初めて現代でヒナに会います。しかしその後、なんと目の前でヒナが殺されてしまうのです……。しかも殺したのは、またもやアッくんでした。そしてアッくんも同時に命を落とします。この悲惨な現状を目の当たりにし、武道は自分が東京卍會のトップに立ち、みんなを救おうと考えます。
5、6回目のタイムリープ『血のハロウィンで死者を出さない』(コミックス4〜8巻 アニメ12〜24話)
再び12年前の過去、その日はパーちんが抜け不在となった参番隊隊長の任命式でした。そこに新参番隊隊長として現れたのが鍵を握る人物である稀咲です。そして壱番隊隊長の場治圭介は「芭流覇羅(バルハラ)」という別のチームに移籍すると宣言し、任命式は混乱の中幕を閉じました。
東京卍會のトップに立つ目的でタイムリープした武道でしたが、余りにも謎が多く、ここで1度現代に戻ります。そして、現代で死刑囚であるドラケンから、芭流覇羅との抗争によって場治が死に、芭流覇羅の一員であり東京卍會創設メンバーである「羽宮一虎」をマイキーが殺した「血のハロウィン事件が」、現代の東京卍會で稀咲が力を持つ原因となったことを聞きます。
『血のハロウィンで場治を死なせないこと、マイキーに一虎を殺させないこと』を目的に、武道は再度タイムリープします。壱番隊副隊長「松野千冬」の協力を得ながら場治を東京卍會に戻そうとするも、芭流覇羅への移籍は止めることができませんでした。そのまま芭流覇羅との抗争の日を迎えます。
実は「稀咲を東京卍會から排除する」目的で芭流覇羅に移った場治でしたが、抗争の中、その目論見が芭流覇羅の副総長「半間修二」に見破られてしまいます。同時に、場治に裏切られたと思った一虎は背後から場地を刃物で刺します。過去に一虎によって実の兄である佐野真一郎を殺害されたマイキーは、場治が致命傷を負ったことで抑えていた怒りを爆発させるかの如く一虎を攻撃し始めます。
「このままでは一虎がマイキーに殺されてしまう未来が変えられない」武道がそう思ったとき、場治は自らを刃物で刺します。一虎が自分を殺したのではなく、自刃したことにして、マイキーに一虎を許してもらおうとしたのです。武道の必死の説得もあり、マイキーは一虎への攻撃をやめ、一虎は警察へ連行され、血のハロウィンは幕をおろしました。
この抗争で芭流覇羅が東京卍會の傘下に降ること、そして武道が壱番隊隊長となることが決まります。東京卍會のトップに立つという目標に一つ近づいた武道は、ここで一度現代へ戻ります。
現代に戻ると、武道は東京卍會の最高幹部になっておりました。そして、なんと自らの命令でヒナタを殺害していたのです。絶望する武道は、現代で東京卍會の実権を握る稀咲と、「黒龍」というチームの出身者を東京卍會から追い出すことを目的に再び過去の世界へ戻ります。
7、8回目のタイムリープ『聖夜決戦で八戒による大寿殺害を止める』(コミックス8〜14巻)
過去で武道は、黒龍出身で現代最高幹部として君臨する東京卍會弍番隊隊長「柴八戒」と出会います。八戒は自身の兄である黒龍十代目総長柴大寿を過去に殺しておりました。それには、八戒の姉の「柴柚葉」が大寿から暴行を受けていたことが関係あるようでした。現代で得た情報と合わせて「八戒が大寿を殺したこと」が黒龍出身者が東京卍會の実験を握る直接の原因になったと推測します。
八戒による大寿殺害を止めるため、聖夜に起きる黒龍との抗争を止められないかと東京卍會隊長たちに相談する武道ですが、弍番隊隊長「三ツ矢隆」が大寿と不戦条約を締結したことで提案は拒否されます。そんな中、この武道の提案に賛同したのが稀咲と半間でした。武道は葛藤しながらも、目的を達成するため一時的に彼らと手を組むことを決めます。
武道が八戒を説得、稀咲、半間とともに大寿に挑むという作戦でしたが、当日稀咲と半間は裏切ります。結局「武道と八戒」対「大寿」の戦いへと発展してしまいました。途中三ツ矢も駆けつけますが、大寿には三人がかりでも歯が立ちません。ボロボロになりながらも諦めず戦い続ける武道に心を動かされた八戒は、今まで自分が柚葉を庇っていたのではなく、彼女から守られていたことを告白します。自分の弱さに向き合った八戒は、そこで改め正々堂々大寿に向かうのです。
危機一髪のところで最強の助っ人、マイキーとドラケンが現れます。マイキーは大寿を瞬殺、ドラケンは黒龍100人を一人で倒し、こうして東京卍會と黒龍との戦いは死者を出すことなく幕を閉じました。
そしてなんと、マイキーは稀咲の悪事を明らかにし、稀咲と半間を東京卍會から追放します。やるべきことを終え、これまでで最高の結末を迎えた武道は再び現代へと戻ります。
ところが……現代はこれまでで最も最悪でした。ヒナはもちろん、東京卍會の主要メンバーほぼ全員が殺害されており、しかも彼らを殺害したのはマイキーだったのです。同時に、警察官である直人はマイキーを射殺してしまいました。
せっかく過去を変えたのに……正に絶望です……
9回目のタイムリープ『関東事変で黒川イザナ&稀咲を追い詰める』(コミックス14〜22巻)
最悪の未来を変えるため再び過去に戻ったものの、どうしていいかも分からず自暴自棄になる武道。そんな武道を、タイムリープの秘密を知っている千冬が励まします。それから、マイキーより東京卍會を追放された稀咲は横浜の「天竺」というチームに移籍した情報を手に入れました。
「天竺」の情報収集をするため、武道は一旦現代に戻ります。すると、天竺の総長「黒川イザナ」は現代で東京卍會の実権を握っている人物であることがわかりました。ところがここで、稀咲に情報収集をしていることがバレてしまいます。直人と握手したところで稀咲が直人を射殺、武道は最後のタイムループとなってしまうのです。
過去に戻ると、武道はマイキーから、イザナは自身の兄弟であること、マイキーの兄真一郎が初代黒龍の総長であり、イザナがその8代目総長であることを明かされました。そして稀咲が移籍した天竺との抗争が始まろうとする中、抗争前に東京卍會隊長たちが襲撃され戦闘不能状態になってしまいます。更に追い打ちをかけるよう、伍番隊隊長「武藤泰宏(ムーチョ)」は東京卍會を裏切り天竺へ、ドラケンの恋人だったエマが稀咲に殺害されマイキーとドラケンまでもが戦意喪失状態になります。東京卍會はボロボロの状態で天竺との抗争を迎えるのです。
東京卍會の隊長以下のメンバーにより「S62世代」と呼ばれる敵たちに善戦したかと思われましたが、イザナの圧倒的なパワーに東京卍會全員が立っているのがやっとの状態になってしまいます。そこで立ち上がったのがヒナでした。武道のタイムリープを信じているヒナは、武道が東京卍會のピンチを救っていることをマイキー、ドラケンに訴え、最終的にマイキーが兄弟であるイザナを倒して抗争は幕を閉じます。
敗北に逃走する稀咲でしたが、武道が追い詰め殴り合いになります。武道は稀咲が自分と同じくタイムリープしていると予想していましたが、予想は外れており、稀咲はそのままトラックにはねられ死亡してしまうのです。
ヒナが訴えた内容通り、武道よりタイムリープの詳細を聞いたマイキーは「みんなのことは俺が守る」と言い、武道を未来の世界に帰るように促します。
未来に戻った武道を待っていたのは、今まででは最高の未来でした。ヒナとの結婚式を控え、東京卍會や溝中五人衆のメンバーに囲まれ、それぞれが幸せな生活を送っていました。これ以上ないハッピーエンドに思えましたが、唯一そこにマイキーの姿だけがなかったのです。
9回目のタイムリープ『高校生』(コミックス22巻〜)
現代、東京卍會のメンバーと12年前に埋めたタイムカプセルを開きました。その中に、武道はマイキーが残したカセットテープを見つけます。マイキーは自分が時々「黒い衝動」に襲われること、仲間を巻き込まないために仲間と距離を置くことがメッセージで残されていました。これを知った武道は、現代でマイキーが首領を務める「梵天」という組織を探索、初めて現代でマイキーとの再開を果たすのです。
ところが、なんとマイキーは武道を銃で撃ってしまいます。その後、マイキーも飛び降り自殺をはかろうとしますが、瀕死の重傷を負っているにも関わらず武道は手を伸ばしなんとかマイキーを掴みます。その瞬間、今度はマイキーとの「握手」がトリガーになり、再び過去の世界にタイムリープしたのです。今度の舞台は高校時代でした。
タイムリープはまさかの偶然でしたが、今度の目的はもちろん「マイキーを救うため」です!そして現在の連載に続きます。
ラスボスは誰?タイムリープしている人物がもう1人いるのでは?
武道が過去を変えようとしても、変わるどこか悪化してしまった……そんなことを9回繰り返しているのは、他にタイムリープしている人物が邪魔していると考えるのが自然です。
武道はずっと稀咲がタイムリーパーだと思っていましたが予想は外れ、稀咲は死んでしまいます。
稀咲の死とともに「ラスボスは誰?」とネットでも話題になりました。よく出てくるのが
①佐野万次郎②半間修二③橘直人。
他にも千冬、アッくん、そして佐野真一郎が実は生きている説やヒナの父親説、武道二重人格説など「とりあえず全員疑っておこう」「あり得ない想定もしておこう」というヒット漫画ならではの多くの考察が繰り広げられています。
私が予想する黒幕は、半間修二です。黒幕というかは怪しいですが「もう1人のタイムリーパー」は彼ではないかと予想しています。
第1に、最も疑わしかった稀咲と行動を共にしていた人物であること。
第2に、稀咲が死亡したとき「オレはタイムリーパーじゃない。オレは」と言っていたこと。
稀咲は武道をタイムリーパーだと知っていましたし、「オレは」ということは「オレじゃない誰か」がタイムリーパーだと考えるのが自然です。もしかしたら稀咲は半間のトリガーなのかもしれません。
第3に、現代でヒナが車の事故で殺されたとき、武道は半間と偶然会い、半間が「あれ?車乗ってねーじゃん」と言ったこと。
タイムリープしているからこそ武道の事情を詳しく知っていたのか、はたまたタイムリープしていなくとも武道をずっと見張っていたのかは微妙なところですが、少なくとも「確実にヒナを殺すくらい現代の2人の動向を把握していた主要人物」であることは間違いありません。
第4に、出番が少ないこと。第3で述べたような主要人物であるにも関わらず、半間修二に関しては出番が少なく情報がないのです。最終章で登場してくることは間違いないと思います。
反対に、絶対黒幕であるなと思うのは橘直人です。万が一橘直人だった場合、余りに悲しすぎるので……それ相応の理由を描いてください!
みなさんは誰がラスボスだと思いますか?
まとめ
タイムリープモノは多くあれど、ここまでもどかしく、絶望したり希望を持ったりを短期間で繰り返すストーリーは他にはありません。正にタイムリープモノの代表作の一つだと思います。9回目のタイムリープにして、死亡するはずだった全員が生きていたときは嬉しすぎて号泣してしまいました。
高校生編はまだ始まったばかりなので、今後も更新していきたいと思います。まだまだ謎が多く残っているので、考察しがいがありますね。見落としている点があれば、ぜひ教えていただきたいです!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!twitterにも遊びに来てください!
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